いつもならボーッとする暇もあるドライブなのに。
貴方の言い訳を聞きながら。
私の頭の中の冷静な声を聞きながら。
心の中の抑えられない感情を感じながら。
あっという間に目的地に着いた。
運転しながらだときちんと向かい合って話せなかったけれど。
今から1から10まで説明してもらうつもり。
明日の仕事への影響なんて知らない。
自分でまいた種でしょ?
ねぇ、言い訳はもういいよ。
わかったから一回、携帯見せて。
…それはできない。
どうして?
あの女とのLINEだけでいいよ。
遡って最初から見て、浮気かどうかはそれから判断するから。
だから、見せられない。
あっそ?
なら、離婚しようよ。
もう貴方のこと、信用できないから。
…離婚って言葉を口にする時。
身体が震えた。
絶対しないと思っていた。
ううん、できないと思っていた。
今も、できるとは思っていない。
だけど、私の意思で離婚の可能性があるんだって。
その言葉の重みに、今の私自身が耐えられないかもしれないって。
…今日はすごいな。
自分の人生で、こんな葛藤を持つ日が来るなんて。
夢にも思わなかった。
離婚はしたくない!
食い気味に叫ばれたその言葉に。
ちょっと安心して。
ちょっと嬉しくて。
でも、それじゃあ何でと。
貴方を言葉で苦しめて、何度も同じ説明をさせて。
貴方の表情が苦痛に見える分。
私も苦しくなって、だけど嬉しくなった。
貴方のことが好きだけど。
その気持ちはたぶん減っていないのに。
貴方を苦しませることで。
幸せを感じるようになった自分に気付いた瞬間。
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