妻の主治医は、なんとなくいけ好かない奴だった。
医者だからお高くとまっているのか?
人のことを頭のてっぺんから足の先まで舐めるように見やがって。
どう見たって歳下の癖に。
頭に来る。
けれど妻のことは大事だから、こいつが主治医というなら仕方がない。
変に騒ぎ立てて妻との関係性を更に悪化させたくなかったし。
…我慢した。
奥様はご主人と一緒にいて幸せなんですか?
だと?
お前に何が分かるんだよ?
だいたいそんなことただの医者に関係ないだろ。
たった数日前に会ったお前ごときに僕と妻の関係をとやかく言われたくない。
確かに僕は妻を傷付けたけれど。
それでも僕たちの間に生まれていた信頼関係が全て無くなったわけではない。
僕は新しい関係を妻と築いていけるように努力するつもりだし、
何よりそこら辺の若造に口を出される事ではない。
まくし立てたい気持ちをグッと堪えて作り笑いをする。
どんなにイラついても、妻を人質に取られている以上下手な発言はできない。
…こいつ、何なんだ?
あの地雷女といいこの医者といい。
最近の僕は歳下に運が無い。
復讐計画書 貴方と私3

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