復讐計画書　貴方とあの女5

唯一の誤算だったのは、いわゆる「連絡頻度」ってやつだな。
後から知ったんだけど、あの子、韓国ドラマやK-POPアイドルが好きみたいでさ。
あっちの男性は女性への連絡にかなりマメらしいね？
仕事中でも構わず頻繁にLINEや電話、こちらが返さなくてもどんどん送って来る。
そして同じ頻度を強要されるんだ。
これには参ったよね。

本当はこの時点で切ろうかとも思ったんだけど。
賭けに負けたくない気持ちが勝ったんだ。
３ヶ月我慢すれば勝てる。
僕の人生に敗北は似合わない。
プライドだね。
昼夜関係なくLINEが来るけれど、さすがに妻と一緒の寝室で、隣でスマホをずっといじっていたらおかしいでしょ？
仕事って言い訳にも限度がある。
だから仕方なく、リビングで残りの仕事を片付けるって名目で、別々の部屋で過ごすことが多かった。
何で書斎じゃないかっていうと、通話しながら寝落ちしてしまうことがあったんだよね。
それに、書斎は寝室と近いからさ。　万が一妻に聞かれでもしたら大変でしょ？

今思えばこのプライドのせいで。
僕は本当に多くのものを失ったわけだけど。
もう一度あの頃に戻れるとしても違う選択をする自信が無いんだ。
本当、どうしようもない男だね、僕も。
分かっている。
分かってはいるけれど。
勝ちたいんだよ、どうしても。
僕の人生に敗北は似合わないんだ。
僕は今からでも勝てるよ。
だってそうやって生きて来たんだ。
今までも、そして、これからも。