復讐計画書 貴方とあの女2

風向きが変わったのはあの子と出会ってどのくらい経った頃かな?
正確な時期は把握していない。
僕にとってはどうでも良い出来事だったから。

あの子は誰が見ても分かるくらい僕に夢中だった。
見ていて面白かったね、僕の経済力やルックス、フリーランスで自由がきくし、社長という肩書きにクラクラ来ていたんだろう。
どうせろくでもない生き方をして来たんだろうなと容易に想像が出来るくらい、
股の緩い女特有の雰囲気があった。

僕は馬鹿と火遊びはしない主義。
馬鹿はすぐに人に話したがるし、
情報管理が出来ていないからリスクでしかない。
それに遊ぶ女の子ならたくさんいるし、
わざわざあんな好みじゃない女に喰らいつく程困っちゃいない。
可愛い年下妻は従順すぎて物足りないところもあるけれど。
あまりにも知りすぎているのも抱く気が失せる。
妻は僕に教えてもらったことを一生懸命に努力するから。
足りないのなら教えてあげれば良いだけの話。

あの子のことは当たり前だけどまったく眼中になかった。
だけど、学生時代の仲間と飲んだ時、あの子の話を周りにしたら。
「賭けをしよう」ってことになったんだよね。
結局皆んな社会に出てしばらく経って、
娯楽に飢えていたんだろうな。
普通の娯楽ではなくて、もっと、こういう。
馬鹿な女を金で陥れて、陰で笑うような娯楽にさ。
もちろん妻には言えないし、そんな僕の姿は見せたくない。
どうせバレないと思っていたし、
いつもの火遊びの延長のつもりだった。

だから失敗した。
まさかLINEの通知があんな時に来るなんて。

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