復讐計画書 自立1

私が一人前に自立出来るまでは離婚しないことに決めた。
許したか?と聞かれると、頷きたくはない。
だけど、今までの夫から自分に向けられていた優しさや愛情の全てを疑うほど。
私たちの信頼関係は薄くなかったように思う。
そもそも突き詰めて考えると、私が経済的に自立していないことは大きなマイナスだ。
正直、薄給でも夫の稼ぎでどうにでもなったし、私もそこに胡座をかいていたように思う。
子どももいなくて余裕もあったし、夫の私への愛情が揺るぎないものと信じていたから。
だけど一度こういうことがあって、そしてすぐに離婚を切り出せない原因の一つが経済面であることは確かだ。
愛してる、という気持ちはまだあるのだけれど。
裏切られた、という気持ちも同じくらいあって。
信じたい、気持ちは確かにあるのに。
嘘つき、と思ってしまう気持ちにも蓋は出来ない。
だけど、夫に対してマイナスの感情を持っているその瞬間も。
私は夫のお金で生活していることに変わりはないのだ。
そして病気が発覚した今、私も今後のことを考えなくてはならない。
夫が実は極悪人で、働けなくなった後にまた浮気でもされたら、私の人生は目も当てられなくなる。

夫を責める気持ちは変わらない。
だけど、甘んじていた私は今からでも変えられる。
自分ではどうしようもない人の気持ちや行動に一喜一憂しながら監視するよりも。
どうにかする方法がたくさんある、自分に目を向けたかった。
そうやって前を向いたフリでもしていないと。
押し潰されそうで、自分がいなくなりそうで怖かった。

とりあえず体調を戻すことを優先して。
その後はフルタイムの仕事に転職しよう。
まずはそれからだ。

入院中、ひたすらパソコンで情報を得る。
このパソコンも入院費も何もかも。
夫のお金であることは間違い無いのだけれど。
だけど夫のお金で夫から離れる算段を付けるのも。
結構良い復讐なのかな、と。
黒い私が囁くこともある。
…人の心って、一筋縄じゃいかないものね。

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