復讐計画書 対峙1

いつもならボーッとする暇もあるドライブなのに。
貴方の言い訳を聞きながら。
私の頭の中の冷静な声を聞きながら。
心の中の抑えられない感情を感じながら。
あっという間に目的地に着いた。
運転しながらだときちんと向かい合って話せなかったけれど。
今から1から10まで説明してもらうつもり。
明日の仕事への影響なんて知らない。
自分でまいた種でしょ?

ねぇ、言い訳はもういいよ。
わかったから一回、携帯見せて。

…それはできない。

どうして?
あの女とのLINEだけでいいよ。
遡って最初から見て、浮気かどうかはそれから判断するから。

だから、見せられない。

あっそ?
なら、離婚しようよ。
もう貴方のこと、信用できないから。
…離婚って言葉を口にする時。
身体が震えた。
絶対しないと思っていた。
ううん、できないと思っていた。
今も、できるとは思っていない。
だけど、私の意思で離婚の可能性があるんだって。
その言葉の重みに、今の私自身が耐えられないかもしれないって。
…今日はすごいな。
自分の人生で、こんな葛藤を持つ日が来るなんて。
夢にも思わなかった。

離婚はしたくない!

食い気味に叫ばれたその言葉に。
ちょっと安心して。
ちょっと嬉しくて。
でも、それじゃあ何でと。
貴方を言葉で苦しめて、何度も同じ説明をさせて。
貴方の表情が苦痛に見える分。
私も苦しくなって、だけど嬉しくなった。

貴方のことが好きだけど。
その気持ちはたぶん減っていないのに。
貴方を苦しませることで。
幸せを感じるようになった自分に気付いた瞬間。

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