復讐計画書 あの子と私3

わざとらしく何度も名乗ったり、顔を見つめたり。
柄にも無くアピールしたのに、センセイはまったく俺に気付かない。
…俺の存在なんて、忘れちゃったのかな。
検査結果も気になる部分があるし、センセイは痩せて顔色も悪い。
もしかして、予後が悪い病気なのかな。
診察にも力が入る。
これは医者として。

…思った程悪い結果ではなさそうだな…?
もっと重大な病気を想定していたけれど。
もちろん、病に優劣は無いけれど、
俺の想定よりはよっぽど良い結果だった。
これなら入院なんてしなくても、外来治療でどうにかなりそうだ。
そうなると、あの顔色の悪さが気になる。
センセイはもともと痩せていたけれど、ガリガリというわけでは無かったし。
痩せたというか、やつれた感じだった。
診察が終わってもずっと気にはなっていたけれど。
まぁまた後日検査で会うし、と思っていた矢先に。
センセイが倒れたという連絡が入った。
考えるよりも先に身体が動く。
センセイを守るのは俺だ。
子どもの頃とまったく同じ思考が頭をよぎった。
結局人間なんてどんなに歳を取ったって本質は変わらないものだ。
俺は心のどこかでずっとセンセイが好きだったし。
きっとセンセイは、ずっと俺には興味が無いのだろう。
気付かないのは、俺と会うかもという期待も概念も無いからだ。
きっと。

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