復讐計画書 あの女の妹4

結局すぐ父は亡くなった。
いろいろ見越して手続きの仕方も調べていたから、そんなに困ることはなかった。
寂しいとかそういう感情を感じる間もなく、ワタシは日々の生活に忙殺される。
公営住宅はお金はかからないけれど、決して住みやすい場所ではない。
トイレはお便所だしお風呂はバランス釜だし、段差でデコボコの部屋だし民度は低い。
だけどワタシはお金を貯めて、良い大学に行って手堅い職業につくんだ。
結婚なんてしない。
あの両親の子である自分に相手を見る目があるなんて期待もできないし、
子どもができたとしてあんな奴らの遺伝子を引いていたら、とんでもない人間が生まれてくるかもしれない。
自分1人なら努力と我慢でどうにでもなる、してみせる。
だけどワタシの人生を、これ以上ワタシではない存在にかき乱されたくない。
ワタシは1人で生きていく。
辛いこともあると思うけれど、1人の辛さよりも自分ではどうにもならない血の繋がりから逃げる方がよっぽど大変なことをワタシは知っている。

父が亡くなっても、幸いなことに毒母やクソ女からの連絡はなかった。
連絡があった時の最悪なシチュエーションを考えながら、毎日寝る前に天に感謝した。
ワタシは自分以外の何も信じてはいないけれど。
父が守ってくれたのかな、なんて思うこともあった。
まぁどうせなら。
生きているうちにもっと守って欲しかったけれど。
ワタシはアルバイトをしながら必死で勉強をして、とある国立大学の法学部に合格した。
法学部を選んだのは、その後の進路がいろいろありそうだから。
士業だけでなく教員、公務員、民間でも需要はあるだろうし。
何よりワタシの境遇とは切っても切り離せないことがたくさん学べるだろう。
勉強は大変だと思うけれど、これは投資だ。
貧乏生活には慣れている。
むしろ光熱費を浮かすために、大学が閉まるまでそこで勉強するつもりだ。
学費は半額免除で、無利子の奨学金も勝ち取った。
やった!
凡人のワタシにしては上出来だろう。
これからはたくさん勉強して、必ず手堅い職業についてみせる。
毒母とクソ女とは縁を切るんだ。

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